急性胃腸炎

おかゆには理由があります

おかゆ

胃腸炎でお見えになる方で多いのが「下痢しているんですが、よく食べます」とおっしゃる方です。
実は食欲が保たれていることが良いとは言えません。
胃腸炎の初期治療で大切なのは「絶食」なのです。

「すっかり食欲が落ちて水分しか取れてません。」と、おっしゃっていただけると、小児科医としては、ちょっと安心と言ったところでしょうか。
一般的に、女児の方が「生命力」「野性味」があるので、小さいお子さんでも、ちゃんと食欲が落ちて、壊れたお腹を治す体勢に入ります。
残念ながら、男児の方が野性味が薄いので、極端な場合は吐きながら食べちゃう…という事態になりかねません。
お腹を壊したなと思ったら、まずは水、塩、砂糖(経口補水液)のみにすることが一番の治療になります。 食事制限期間は症状にもよりますが、半日から一日が目安になります。

急性胃腸炎治療のキーポイント

トイレに座る子供

これだけ医学が進歩しても、消化能力を治すお薬はありません。
脱水にならないように、嘔吐や下痢を強引に止めるお薬はありますが、お腹を治す作用はありません。

現代の医学では、一番、有効な治療は食事療法、食事制限になります。
絶食期間が長くなると、カラダのエネルギー・バランスが崩れて、吐き続けることがあります。
「アセトン血性嘔吐症」「自家中毒」と呼ばれる状態で、糖分が不足しないように心がける必要があります。

急性胃腸炎のお子様を持つご両親様へのメッセージ

診察

初期の食事療法が大切です。
胃腸炎には低脂肪で低浸透圧のものがいいんです。

昔のお母さんはおかゆを食べさせました。
おかゆには理由があるんです。
今は、ワンデーダイエット、ハーフデイダイエット(ダイエットは痩せるという意味ではなくて、食事療法の意)ができないお母さんが増えています。
日本には幸いポカリスエットのような経口補水液がありますから、上手に使って初期に食事制限をしてください。
また、お腹を触ると冷たいお子さんがいます。お腹を温めると治るお子さんもいます。
西洋医学ではあまりいいませんが、漢方医学では腹巻がいいといいます。実は腹巻ができるお母さんは食事療法もできるお母さんなのではないかと思っています。
重篤な感染症の場合は別ですが、軽い胃腸炎の場合、下痢嘔吐のお薬は出せますが、一番肝心なのは、お子さんの食事療法です。 相談しながら一緒に治していきましょう。悩んだり、分からないことがあったら、一度、ご来院ください。

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